『正反対な君と僕』アニメ第5話は、山田と西という新たな“正反対な二人”の関係が動き出す重要回です。
第5話「考える人、考えない人」では、考えすぎて一歩を踏み出せない西と、気持ちをまっすぐ行動に移す山田の距離が急接近します。
さらに夏休みには、鈴木が谷の家を訪れ、二人の交際が学校の中だけでなく家族との日常へ広がっていく様子も描かれました。
『正反対な君と僕』アニメ第5話では何があった?
『正反対な君と僕』アニメ第5話「考える人、考えない人」は、山田と西という新たな“正反対な二人”が本格的に動き始める回です。
これまで物語の中心にいたのは、明るく周囲の目を気にする鈴木と、物静かでも自分の意見をはっきり言える谷でした。
第5話では、その二人とはまた違った悩みを抱える西に焦点が当てられます。
西は人見知りで、教室のにぎやかな会話になかなか入ることができません。
同じ図書委員で隣のクラスにいる谷のことを、自分と似た静かなタイプだと思っていました。
ところが実際の谷は、鈴木やその友人たちと自然に関係を築き、周囲から慕われています。
西はそんな谷の姿に驚くと同時に、どこか羨ましさを感じていました。
ここで大切なのは、西が単純に「谷が好きだから気になっている」とは言い切れないことです。
西が心を引かれていたのは谷本人だけではなく、谷が当たり前のようにつながっている楽しそうな人間関係そのものだった可能性があります。
「自分と同じように静かな人だと思っていたのに、どうして谷はあんなふうに輪の中へ入れるのだろう」
そんな疑問は、西自身が心のどこかで「私もあちら側へ行ってみたい」と思っている証しにも見えます。
しかし、西は誰かと話したいと思っても、言葉を発する前にさまざまな可能性を考えてしまいます。
- こんなことを言ったら変に思われるかもしれない
- もっとふさわしい言い方があるのではないか
- 今から会話に入ったら迷惑ではないか
- 急に話しかけたら相手を困らせないだろうか
頭の中ではたくさんの言葉が浮かぶのに、考えている間に会話が先へ進み、結局何も言えなくなってしまうのです。
「話したくない」のではなく、「話したいからこそ考えすぎてしまう」。
この違いが、第5話で西を見るうえでとても重要です。
そんな西の内面を理解しているのが、友人の本田でした。
本田を通じて西と接点を持った山田は、普段は控えめな西が見せた笑顔に興味を持ちます。
そして山田は、西が集めているパンの点数シールを手渡すため、休み時間になるたびにクラスの壁を越えて会いに来るようになりました。
夏休み前には、山田が思い切って西へ「友達になって」と伝え、二人は連絡先を交換します。
山田にとってはシンプルな言葉でも、西にとってはかなり大きな出来事です。
それまで「相手がどう思うか」を頭の中で何周も考えていた西に対して、山田は分かりやすく関係の入口を示しました。
一方、夏休みに入ると、鈴木は課題を片付けるために谷の自宅を訪れます。
二人きりの空間に緊張しながらも、鈴木と谷は無理に恋人らしい出来事を作ろうとはせず、自分たちらしい時間を過ごします。
その帰り道では谷の祖母と出会い、谷が鈴木を堂々と「彼女です」と紹介しました。
この出来事に背中を押された鈴木も、自分の母親へ谷と付き合っていることを伝えます。
つまり第5話は、新しい関係が芽を出した山田と西、すでに始まっている関係を日常へ根づかせていく鈴木と谷を同時に描いた回なのです。
恋愛が始まる瞬間と、始まった恋が生活へ入っていく瞬間。
二組を並べて描くことで、「好きになること」だけではなく「人とつながること」そのものが第5話のテーマとして浮かび上がってきます。
山田と西の恋模様はなぜ動き始めた?
山田と西の恋模様が動き始めた一番の理由は、山田が西に対して、分かりやすく継続的に関心を示したことです。
西には、人との距離を縮めたい気持ちがあります。
しかし同時に、相手の反応や場の空気を考えすぎるため、自分からきっかけを作れません。
そのため親切にされても、「どうして私に?」と理由を探してしまいます。
たった一度なら「たまたまかもしれない」と考えられますし、声をかけられても「誰にでも同じなのかもしれない」と考えることができます。
そこへ現れた山田は、西とは対照的な人物でした。
山田は西の笑顔を見て「もっと知りたい」と感じ、その気持ちを複雑に加工しません。
西がパンのシールを集めていると知れば、パンを買ってシールを渡す。
会いたいと思えば、隣のクラスまで足を運ぶ。
話したいと思えば声をかける。
友達になりたいと思えば、「友達になって」と伝える。
山田の行動は驚くほどシンプルです。
ただし、ここで大切なのは、山田が相手の気持ちを無視して強引に距離を詰めているわけではないことです。
たとえば連絡先を交換するとき、山田は西と視線の高さを合わせるように膝を曲げています。
ほんの小さなしぐさですが、相手へ圧力をかけず、同じ目線で話そうとする山田の人柄が表れている場面です。
タイトルでは山田が「考えない人」と表現されていますが、実際には何も考えていないわけではありません。
むしろ、必要以上に相手の気持ちを決めつけず、素直な関心をそのまま行動へ変えられる人物なのでしょう。
西とは「思考量」が違うというより、「考えたあとに動けるまでの距離」が違うと見ると分かりやすいです。
一方の西は、考えすぎるからこそ、相手の表情や言葉の意味を細かく受け取れる人です。
山田のまっすぐな親切が繰り返されるうちに、それが社交辞令や一時的な気まぐれではないと気づいていきます。
山田の直球が西の思考を無理やり止めるのではなく、「そこまで考え込まなくても信じてよさそう」と感じられる関係を少しずつ作ったことが重要です。
山田が差し出したのは、難しい返答を必要としない「友達になって」という言葉でした。
西にとっては、完璧な会話を用意しなくても受け取れる言葉です。
恋人になってほしいという大きな要求ではなく、まず友達になりたいという一歩だったことにも意味があります。
山田は西を自分のテンポへ無理やり引っ張っているのではありません。
自分から入口までやって来て、「ここから一緒に歩いてみない?」と手を差し出しているように見えます。
西のように考えすぎて最初の一歩が重くなりやすい人にとって、これほど分かりやすいきっかけはありませんよね。
第5話で山田と西の距離が急に縮まったように見えても、実際には小さな安心が何度も積み重なった結果なのです。
パンのシールが表していた二人の関係とは?
第5話で印象的だったのが、山田が西へパンの点数シールを渡し続ける演出です。
一見すると、パンのキャンペーンに使うシールを集めるという、何気ない日常の出来事ですよね。
ところが、シールが一枚ずつ台紙に増えていく様子は、山田と西の関係が少しずつ形になっていく過程と重なります。
最初の二人には、ほとんど接点がありませんでした。
山田は西の笑顔が気になっているものの、西がどんなことを考えているのかまでは知りません。
西もまた、明るく行動的な山田がなぜ自分に声をかけるのか分からず、戸惑っています。
そんな二人の空白を埋めていくのが、一枚ずつ手渡されるシールです。
- 山田が西の好きなものを覚えている
- 休み時間にわざわざ会いに来る
- 一度ではなく同じ行動を繰り返す
- 西が山田の訪問を少しずつ意識する
- シールが集まる頃には連絡先を交換する
山田は大げさな言葉で西へ気持ちを伝え続けたわけではありません。
小さな行動を何度も積み重ねただけです。
けれど人間関係では、一度の華やかな出来事よりも、「また来てくれた」「今日も覚えていてくれた」という積み重ねのほうが、相手を信じる根拠になることがあります。
特に西のように慎重な人にとって、継続はとても大きな安心材料です。
一回目なら偶然。
二回目なら気まぐれ。
けれど何度も続けば、「この人は本当に私に会いに来ているのかもしれない」と少しずつ受け止められるようになります。
この過程があるからこそ、「友達になって」という山田の言葉が唐突に見えません。
筆者としては、このシールが単なる恋愛の比喩だけでなく、西が自分の世界の外側とつながった証しにも見えました。
西の生活には、本田という信頼できる友人がいます。
ただ、それ以外のにぎやかな人たちとは目に見えない壁があり、西自身もその壁をなかなか越えられずにいました。
山田は大きな音を立てて壁を壊すのではありません。
休み時間ごとに一枚ずつ、小さな橋を架けていきます。
シールの台紙が埋まるほど、二人の間には「話しかけても大丈夫」「会いに来ても大丈夫」という経験が蓄積されていきます。
ここが第5話ならではの巧みなところです。
恋愛作品では、特別なイベントや強い言葉を使って距離の変化を示すことがあります。
ところが『正反対な君と僕』では、パンのシールという誰にでも想像できる小さなものを使いました。
だからこそ二人の距離の縮まり方に現実味があります。
毎回のシールそのものに大きな意味があるのではなく、「あなたのことを覚えていた」という事実が積み上がっていく。
そう考えると、シールの一枚一枚は山田から西へ送られた、小さな「また話したい」のサインだったとも受け取れます。
そして西がその積み重ねを受け取れるようになったところで、二人は連絡先を交換します。
目に見えるシールの積み重ねが、目に見えない信頼へ変わる。
この静かな演出が、第5話の山田と西を印象深い組み合わせにしていると感じました。
本田はなぜ第5話の重要人物なの?
第5話で山田と西の関係を語るうえで、本田の存在は欠かせません。
本田は、西が比較的自然に話すことのできる大切な友人です。
西が無口なのではなく、頭の中に言いたいことをたくさん抱えていることも理解しています。
さらに本田は、西が谷を気にしている理由についても、単純な恋愛感情とは違う可能性を見抜いていました。
西が憧れていたのは、静かな谷自身だけでなく、谷が鈴木たちと自然につながっている姿だったのかもしれません。
自分の感情は自分が一番分かっているようで、実際にはうまく言語化できないこともありますよね。
本田は、西がまだ言葉にできない気持ちを外側から整理してくれる人物です。
ここで本田が「あなたはこう思っている」と決めつけないことも大事なポイントです。
あくまで西を知っている友人として、本人が気持ちを理解するためのヒントを差し出しています。
また、山田が西に興味を持った際には、二人を無理やり引き合わせるのではなく、自然に接点を作っています。
必要なところでは助け舟を出しつつ、二人だけのやり取りが始まれば一歩引いて見守る。
この距離感がとても上手です。
本田は山田と西の恋愛を成立させるためだけに登場する都合のよい仲介役ではありません。
西の魅力をきちんと理解している友人であり、同時に山田の人柄も冷静に観察しています。
だからこそ、山田が西へ近づく様子を必要以上に警戒するのではなく、期待を込めて見守れるのでしょう。
そして、山田と西のやり取りを目の前で見た本田の表情は、視聴者の気持ちそのものでもあります。
まっすぐ近づく山田と、戸惑いながらも少しずつ笑顔を見せる西。
そんな二人を見ていたら、「これからどうなるの?」と気になってしまいますよね。
本田が驚いたり、笑いをこらえたりすることで、繊細になりすぎる可能性のある西の物語に、明るいコメディのリズムも加わっています。
さらに一歩踏み込んで考えると、本田は「人とのつながりは一対一だけで完成するものではない」ことを示す人物でもあります。
山田と西が出会えた背景には本田がいて、谷が鈴木たちとつながれた背景にもクラスメートとの関係があります。
『正反対な君と僕』は恋愛だけを切り取らず、その周囲にいる友達との関係まで丁寧に描きます。
誰かと付き合うことによって、それまで別々だった友人関係まで少しずつ交わっていく。
その広がりがあるから、登場人物たちの学校生活が一つの世界として感じられるのでしょう。
恋愛だけでなく、友達が新しい一歩を踏み出すのを喜ぶ友情まで描かれている点が、この作品らしい温かさだと感じました。
鈴木と谷は夏休みにどこまで距離を縮めた?
第5話の後半では、鈴木が夏休みの課題を進めるため、谷の自宅を訪れます。
恋人の家で二人きりになるという状況に、鈴木は落ち着かない様子を見せました。
一方の谷は、普段と変わらず真面目に課題へ向き合います。
恋愛作品では、二人きりの部屋というだけで何か大きな進展が起きそうな空気を作ることがあります。
しかし第5話の鈴木と谷は、分かりやすい刺激よりも、何も起きなくても一緒にいられる安心感を育てています。
これは一見地味ですが、二人の関係にとってはかなり大きな前進です。
付き合う前や付き合い始めたばかりの頃は、どうしても一つ一つの会話や行動を意識してしまいます。
「恋人ならこうするべきなのかな」
「こんな態度で嫌われないかな」
鈴木は特に、周囲の目や相手の評価を気にしやすい人物です。
第2話の初デートでも、谷によく思われたいあまり、本来の自分を見失いかけていました。
ところが第5話では、谷と同じ空間で静かに課題へ取り組む時間そのものを、少しずつ受け入れています。
会話が途切れても、すぐ何かで埋めなくていい。
何か特別なことをしなくてもいい。
相手の前でお腹が鳴るような恥ずかしい出来事が起きても、それだけで関係が壊れるわけではありません。
こうした日常の小さな失敗を共有できることは、派手な告白とはまた違った親密さです。
筆者としては、恋愛が「イベント」から「日常」に変化してきたことが、鈴木と谷の成長を最も分かりやすく示しているように感じました。
さらに帰り道では、谷の祖母と偶然出会います。
谷は鈴木との関係をごまかさず、はっきりと「彼女です」と紹介しました。
谷は感情を顔に出すのが得意ではありません。
それでも、必要な場面では自分の気持ちや相手との関係を明確に言葉へできます。
これは第1話から変わらない、谷の大きな魅力です。
鈴木が最も苦手としてきたのは、まさにここでもあります。
自分の気持ちよりも「相手がどう受け取るか」を先に考えてしまい、なかなか本音を口にできません。
だからこそ、谷が祖母の前でも当然のように「彼女です」と言ったことは、鈴木にとって大きかったのでしょう。
谷の祖母も二人の関係を温かく受け止めます。
表情や空気を察しながら二人を見守る姿に、ほっとした人も多かったのではないでしょうか。
そしてその後、鈴木も自分の母親へ、谷と付き合っていることを伝えます。
谷が勇気を出したから鈴木も勇気を出した、という単純な話ではないでしょう。
谷の自然な態度を見たことで、鈴木の中にあった「交際していることを周囲へ話すのは特別で怖いこと」という意識が少し薄れたのだと考えられます。
ここには、恋人のあり方が、もう一方の選択肢を増やしていく前向きな連鎖があります。
交際を家族へ伝えたからといって、二人の関係が急に大人びるわけではありません。
しかし、学校の中だけにあった恋が、少しずつ日常生活や家族との関係にも広がり始めています。
これは鈴木と谷の交際が、一時的な盛り上がりではなく、生活の一部になりつつあることを示す変化です。
山田と西が「友達になる」という入口へ立った一方で、鈴木と谷は「恋人であることを周囲へ自然に開いていく」段階へ入った。
同じ第5話に二組を配置した意味は、ここにもあるのではないでしょうか。
第5話「考える人、考えない人」のタイトルを考察
第5話のタイトル「考える人、考えない人」は、まず西と山田の性格を表しています。
西は一つの返事をする前に、多くの可能性を考える人物です。
山田は思いついたことを必要以上に複雑にせず、すぐ行動へ移します。
しかし、第5話を最後まで見ると、「考える人」と「考えない人」を単純に二種類へ分けることはできません。
西は考えすぎて動けなくなることがありますが、その分、周囲をよく観察しています。
谷が自分と似ているようで違うことにも気づき、山田がシールを届けてくれる意味も少しずつ受け止めています。
西の慎重さは苦しさの原因になる一方、人の言葉や行動を丁寧に受け取れる長所でもあります。
山田も、実際には何も考えていないわけではありません。
自分が西の笑顔に興味を持ったことを自覚し、距離を縮めるために何度も会いに行っています。
連絡先を交換するときにも、西へ圧力をかけない距離の取り方をしています。
つまり「考えない」というのは、「他人のことを考えない」という意味ではありません。
必要以上の可能性を頭の中で膨らませず、今感じている気持ちを信じて一歩進めるという山田の強さを示しているのでしょう。
谷もまた、普段から物事をよく考える人物です。
それでも祖母に出会った場面では、余計な言い訳を重ねず、鈴木を「彼女です」と紹介しました。
鈴木はさまざまな可能性を考えて不安になりますが、谷の言葉を受けて母親へ交際を伝えています。
つまり第5話が示したのは、「考える人が正しい」「考えない人が強い」という結論ではありません。
考えることと踏み出すことの両方が、人との関係には必要だということではないでしょうか。
考えなければ、相手の気持ちや境界線を見落としてしまう可能性があります。
一方で、考え続けるだけでは伝えたい思いが相手へ届きません。
山田は西に行動するきっかけを与え、西の慎重な反応は、山田に相手を知ろうとする時間を与えます。
鈴木の不安は谷に話し合う機会を与え、谷の率直な言葉は鈴木の背中を押します。
作品タイトルである『正反対な君と僕』にもつながっていますよね。
正反対だから、どちらかが正解なのではありません。
違っているからこそ、自分一人では選べなかった行動を、相手との関係によって選べるようになります。
正反対な二人が出会う意味は、どちらか一方の性格に変わることではありません。
自分らしさを残したまま、自分にない考え方を相手から少しだけ受け取れることなのだと思います。
この視点で見ると、第5話は山田と西の恋愛エピソードというだけではありません。
「人は他者と関わることで、自分の性格を捨てずに行動の幅を広げられる」という、『正反対な君と僕』全体の魅力が凝縮された回だと感じます。
『正反対な君と僕』アニメ第5話の感想と今後の見通し
個人的に第5話で最も印象に残ったのは、恋愛が誰かを別人に変えるのではなく、その人がもともと持っていた魅力を外へ出すきっかけとして描かれていた点です。
西は山田と出会ったからといって、急に社交的になったわけではありません。
考えすぎてしまう性格も、人前で言葉が出にくい部分も残っています。
それでも山田の前では、これまで表へ出しにくかった笑顔や好奇心が少しずつ見えるようになりました。
これは「山田が西を変えた」と考えるより、山田との間に安心できる場所ができたことで、西が自分の一面を出しやすくなったと見るほうがしっくりきます。
山田もまた、単なる明るいムードメーカーではありません。
西の笑顔を見逃さず、相手が喜ぶことを覚え、何度も行動を積み重ねています。
まっすぐであることと、雑であることは同じではありません。
山田の直球が西に届くのは、その行動の中に相手を大切にする気持ちが感じられるからでしょう。
また、第5話で山田と西がまだ「友達」から始まっていることも重要です。
鈴木と谷は第1話で早くも交際を始め、その後は恋人になった二人がどのように理解を深めていくかを描いてきました。
対して山田と西は、自分の気持ちの正体も、相手がどんな人物なのかも、まだ十分には分かっていません。
「なんとなく気になる」という小さな感情が、会話や時間の積み重ねによってどんな形になるのか。
完成した関係ではなく、まだ名前のついていない気持ちが育っていく過程を楽しめるのが、二人の魅力です。
そして第5話のあとには、夏休み明けの文化祭が待っています。
第6話「文化祭!」では、山田が西とのやり取りがぎこちないことを鈴木たちに相談する展開へ進みます。
一方の鈴木も、中学時代に付き合っていた理人と文化祭で再会し、谷との関係に新しい揺れが生まれていきます。
さらに第7話「ドキモヤ」では、文化祭を経て山田と西の間に曖昧な空気が流れていくことになります。
この流れを知ったうえで第5話を振り返ると、「友達になって」という山田の言葉が二人にとってゴールではなく、本当の意味でのスタートだったことが分かります。
ただし、第5話の段階で山田と西をすぐに恋人同士と決めつけるのは早いでしょう。
山田は西をもっと知りたいと思い、西は山田から向けられる関心に心を動かされています。
それでも、二人がその感情をはっきり「恋」だと理解しているとは限りません。
だからこそ、言葉にできないまま互いを意識していく時間に、この二人ならではの甘酸っぱさがあります。
筆者としては、山田と西の関係が鈴木と谷の物語を繰り返すのではなく、まったく別の速度で描かれていることに魅力を感じました。
好きだと気づいてから近づく恋もあれば、近づいていく途中で好きだと気づく恋もあります。
第5話は、恋愛には一つの正しい順番があるわけではないと、二組の対照的な関係を通して見せてくれました。
また、第5話は約24分のエピソードとして配信され、山田と西が本格的に動き始める物語になっています。
これまで鈴木と谷を中心に見ていた人にとっても、第5話以降は「どの二人を追いかけよう?」と思えるほど作品の恋愛模様が広がっていきます。
山田と西、本田、鈴木と谷。
それぞれの性格が会話のテンポや距離の縮まり方へそのまま表れているため、ただ「仲良くなった」という結果を見るだけではなく、なぜその人だからこの関係になったのかを考えながら見ると、第5話がさらに面白く感じられるでしょう。
特に私が面白いと感じるのは、「考えない山田が西を救う」という一方向の構図になっていないところです。
西が慎重だからこそ、山田の何気ない行動一つ一つにも意味が生まれます。
山田のような人物同士であれば、パンのシールを渡す場面もここまで印象的にはならなかったかもしれません。
逆に西のような人物同士であれば、互いに考えすぎて最初の一歩がなかなか生まれなかった可能性もあります。
相手が正反対だから、自分の特徴までくっきり見えてくる。
これこそ、第5話が作品タイトルの魅力をとても分かりやすく見せてくれたポイントではないでしょうか。
まとめ
『正反対な君と僕』アニメ第5話「考える人、考えない人」は、山田と西の新しい関係が始まり、鈴木と谷の交際が家族との日常へ広がっていく重要回でした。
考えすぎて言葉を出せない西に対し、山田はパンのシールを渡す小さな行動を積み重ね、最後には「友達になって」と気持ちを伝えます。
西の慎重さを否定せず、考え込まなくても受け取りやすい言葉を差し出したことが、二人の距離を縮めました。
パンのシールも単なる小道具ではなく、山田が何度も西を思い出し、西が少しずつ山田を信じていく過程を目に見える形にしたものと考えられます。
本田が西の気持ちを理解し、必要なときに支えながら見守っている点も見逃せません。
一方、鈴木と谷は二人きりの勉強時間を通して、何も起きなくても安心して一緒にいられる関係へ進んでいます。
谷が祖母へ鈴木を「彼女です」と紹介し、その姿を見た鈴木が母親へ交際を伝えた展開からは、二人が互いの選択肢を広げていることが伝わりました。
第5話が描いたのは、「考える人」と「考えない人」の優劣ではありません。
考える慎重さと、言葉にして踏み出す勇気が出会ったとき、それぞれが自分らしさを保ったまま人との距離を縮められるということです。
山田と西の名前のついていない感情がこのあとどう変わっていくのか。
そして鈴木と谷が文化祭をはじめとする新たな出来事をどう乗り越えていくのか。
第5話は、二組の物語を追いかける楽しさが一気に広がる転換点だったと言えるでしょう。
よくある質問
『正反対な君と僕』アニメ第5話のタイトルは?
第5話のタイトルは「考える人、考えない人」です。
人との会話で考えすぎてしまう西と、気持ちを率直に行動へ移す山田の対比を中心に描かれています。
ただし山田が本当に何も考えていないという意味ではなく、考え方や行動へ移すまでのテンポの違いを表したタイトルと考えられます。
山田と西は第5話で付き合った?
第5話の段階では、山田と西は恋人同士になっていません。
山田が「友達になって」と伝え、連絡先を交換したことで、二人の関係が本格的に始まりました。
そのため第5話は恋が成立した回というより、お互いを意識し始めるための入口ができた回と見ると分かりやすいでしょう。
山田はなぜ西にパンのシールを渡していた?
西がパンの点数シールを集めていると知ったことがきっかけです。
山田は一度だけではなく何度もシールを渡しに行っており、その積み重ねが二人の距離を縮める役割を果たしました。
シールが少しずつ増える様子は、二人の接点や信頼が増えていく過程を象徴しているようにも見えます。
西は谷のことが好きだったの?
第5話だけを見る限り、西が谷へ単純な恋愛感情を抱いていたと決めつける必要はありません。
西は自分と似た静かな人物だと思っていた谷が、鈴木たちと自然に交流している姿へ驚きと羨ましさを感じています。
そのため谷本人だけではなく、谷が築いている人間関係への憧れも大きかったと考えられます。
谷は鈴木を家族にどう紹介した?
谷は偶然会った祖母に対し、鈴木を「彼女です」とはっきり紹介しました。
谷のまっすぐな姿を見た鈴木も、自分の母親へ谷と付き合っていることを伝えています。
学校の中だけだった二人の交際が、家族を含む日常へ広がったことを示す重要な場面です。
第5話の次はどんな展開になる?
第6話「文化祭!」では夏休みが明け、文化祭へ物語が進みます。
山田は西とのやり取りがぎこちなくなっていることを鈴木たちへ相談し、鈴木は中学時代に付き合っていた理人と再会します。
第5話で生まれた山田と西の新しい関係、そして安定し始めた鈴木と谷の交際が、それぞれ次の段階へ進むことになります。



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